三百年の子守唄を観た話

笑いなよ、にっかりと

こんにちは、今回はミュージカル刀剣乱舞のお話をしていこうと思います。

まぁ、刀ミュを知ったのより先に刀ステを知っていたので、「幅広くやるなぁ、ステ本丸・ミュ本丸って名前つけて、いろんな本丸があるんだなぁ」くらいだけだったはずなんだけどな。

わたしは面倒くさいオタクであることを自覚しているので、2.5次元舞台の新作が発表される度に緊張する。わたしは「原作のイラストと同じ顔・所作・声でないと認めない」めんどくさいオタクなので、今まで2.5次元舞台に触れることは極力避けてきた。でもあんステで見事明星スバルを演じきった小澤廉くん、松ステで素晴らしいライブを見せてくれたF6の6人に落ちてからわたしの人生は変わった……。(実際F6には正しい意味で人生救われてるので抜け出せない)

だから、刀剣乱舞が2.5に足を踏み入れた時、めちゃくちゃ心配だった。まぁ、その心配は良い意味でも悪い意味でも裏切られる結果になるんだけど。

 

へぇ、僕に興味があるのかい?

最初にね、燭台切光忠役の東啓介くんに感動した。身長もほぼ同じ、声も所作もぴかちゅう。すごいよ、よくぞやりきった。君のおかげでわたしは2.5刀剣乱舞に足を踏み入れる決心ができた。ただ一つ、問題があって。

(ここから先、推しの人たちには大変申し訳ない話になるので、ご注意ください。)

佐々木くんの宗三がどうしても受け入れられなかった。わたしの原作の最推しは宗三と五虎退。次点で光忠。推しの光忠がよかっただけに、宗三がどうしても。いや、美しいのはわかる。ただ、宗三にしては顔が小さすぎるし、可愛すぎるんだよね。解釈違いだったってだけで。

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だから、刀ミュなんてノーマークだった。知ってても太田基裕千子村正やってるのを知ってるぐらい。でも友人の最推しが大倶利伽羅だったから、ちょっとだけでも観て!推しの村正観てるだけでもいいから!ってことでステとミュどっちも見せてもらった。ミュは真剣乱舞祭だったんだけど、それが終わりの始まり。

どっからどう見てもにっかり青江がいるが!?!??!!!彼だけ異常に「「本物」」なんだが!??!?!?!

いや、もっくんの村正もすごいよかった。キュートさMAXで脱ぐ脱ぐ言って絶対脱がないそのガードの硬さが最高。spiさんがいることも知ってたから、蜻蛉切の再現度もよかった。だがしかし。駄菓子菓子。

おいおいおい、どういうことだ、ジョニー?(誰?)

というわけで、なぜか手元にある真剣乱舞祭・三百年の子守唄のBlu-ray。ちょっと時間を置いて残りの真剣乱舞祭・歌合とみほとせの再演も買いました。再演の話は別記事に書きたいと思います。よかったらそっちも見てくださいね。

 

さぁ、斬ったり斬られたりしよう

前振りが長くなってしまった……。いろんな複雑な心境を持って刀ミュに足を踏み入れたことだけうっすら理解していただければ最高です。

どうしてもにっかり青江がしゃべって動いているところを観たくて『三百年の子守唄』を買ったんです。これは良いものを買いました……。

本編の大筋は、「徳川家康公の一生」。青江と大倶利伽羅が遠征中、ひょんなことからまだ赤ん坊だった竹千代(家康公)を預かり、その子を刀剣男士たちで見守りながら育てることに。しかも歴史上の人物に成り代わって!

原作(しかもゲーム)があるから当たり前なんだけど、セリフが一々一緒なのに感動する。「笑いなよ、にっかりとね」「さぁ、斬ったり斬られたりしよう」「僕に興味があるのかい?(真剣乱舞祭)」「そんなに僕に触れたいのかい?」「笑顔が一番だよ、最終的にはね」etc...

それをわたしが知ってる(思ってる)声で、仕草で演じてくれたのが最高すぎて……。

「青江は人間が大好きで、興味がある」ってあらやん言ってた通りに演じてくれてうれしかった。「大好きな人間になれた、人間1年生」な品行方正な青年が、赤ちゃんにおっかなびっくり、でも愛情を持って接し育ててる姿が美しかった。乳母車推してるシーンや、勉強を見てあげてるシーンのなんと愛情深いことよ……。

それと同じくらい、蜻蛉切の赤ちゃんのあやし方には笑った。「ふん!(槍を突く稽古)」「おぎゃ~」「お~よしよし」「ふん!」「おぎゃ~」「お~よしよし」この繰り返しがパパみを感じて愛だった……。

青江と村正の二人だけのシーンで村正の挙動不審ぶりに、愛らしさのあまり大笑いしてしまったよ。村正は大倶利伽羅や物吉と絡んでるときあまりにも楽しそうだからにっこりしてしまうね。そんな村正は他の刀剣男士たちみたいに「歴史上の人物として」かかわることなくしばらく過ごすことに。

吾兵と大倶利伽羅と信康様が愛。

家康とどう関わってよいのかわからなくて逃げ回ってた村正も、ついには「歴史上の人物として」関わることになる。

石切丸の「何十年も傍で支えた」ってセリフがあるけど、刀剣男士たちは何十年も姿形変わらないものだよね?そもそも服装からして当時の人たちにとってはおかしいものだし。っていうことは、姿形が変わる呪文的サムシングをかけてたのかな?

吾兵が亡くなるシーン。いやまさかこんなにあっさり亡くなると思わなかったんだよね。ストーリー上結構重要なキャラっぽかったし。いや実際重要で、亡くなったからこそ大きな意味を持つんだけれども。彼が亡くなったことをめちゃくちゃ悲しむ(が顔には出さない)大倶利伽羅にぐっときた。

そして検非違使のシーン。検非違使が出てくる直前、信康の死について話していた刀剣男士たち。でもそれを石切丸が一人背負おうとして。一人背うことを良しとしない、実は仲間思いのにっかり青江と信康にしっかり愛情を持っていた大倶利伽羅が一緒に背負いに行って。それを追いかける形で「村正伝説」を成しに千子村正、「村正は一人じゃない」って言って一緒についていった蜻蛉切。そして「幸運」を任された物吉貞宗

信康最期のシーン。直前まであんなににこにこリーダーしてた石切丸が急にシリアスになるのにはびっくりした。ちょっとわたし感情がついていけなかったの、バカだから。ううん、でも葛藤が強く感じたので結果オーライ。その後みんな検非違使にボロボロにされるのだけれど、次のシーンが家康の死の床だったから、みんなもそこで重傷撤退ってことで歴史上からは死んだことになったのかな??って思ってしまった(ヒント:彼らの実際の没年)。

いやだって家康のセリフが「おお……みんな迎えに来てくれたのか」だったから、つい。

死の床にいる家康を、もういないはずの家臣たちが迎えに来た。それだけで双方の思いが痛いほど刺さった。まぁそもそも刀剣男士たちには「正しい歴史を見届ける」っていうのも役目の一つだった気がする。

そしてさらに死んだはずの信康が。しかも信康は「掛川の百姓、吾兵と申します。」って名乗る。あぁ、このセリフ、聞いたことあるよ。信康が小さい頃にあこがれていた人の名前だよね。

しかも家康はその言葉に対して「あぁ、そうか……そうか」って安心したように言う。自分が与えた「信康」って名前を名乗られず「吾兵」って名乗ったのに安堵する。最期まで信康の死を後悔し続けた家康の見た優しい夢なのかもしれない。でも、刀剣男士たちが信康(吾兵)を目で追っていたということは、少なくともあの場にいたものたちにとっては現実だった。戦うよりも、草木を愛した信康のあるべき姿、あるべき一生を歩んでいるのを見られて安心したんだね。大切な家臣(吾兵)と大事な息子(信康)のあるべき姿を。

このシーンで一生の心残りを解消させた家康は、物吉の腕の中で眠る。このシーン、円盤に収録されているのは大千秋楽のものなんですよ。ここで物吉くんは死にゆく家康を腕に抱いてピンスポを浴びながら静かに泣いている。その姿があまりにも菩薩に見えて。そして母を感じた。「よくがんばりました。おやすみなさい」まさに母。今思い出しても泣ける。

家康の死後、家康の心残りが望んだ戦いのない平和な世界は、約300年続く。そう、だから「三百年の子守唄」なのだ。これに思い至ってさらに泣いた。だって、死にゆく人に対して、「さようなら」って言葉もあるのに、あえて「おやすみなさい」って。愛を感じる……。

この後、現在軸(本丸)に戻るんだけれど、直前まで物吉くんボロ泣きだったから、それが治まりきれなくて現在軸なのに涙引きずってるのを見てさらに泣いた。こんな”バグ”があるのが舞台の良いところ。

 

笑顔が一番だよ、最終的にはね

現在軸に戻った後、石切丸が挿絵を描いてるシーン。

青江が石切丸を元気づけるために、急に大笑いし出すのにはびっくりしたけど、「僕にだってこれくらいはできる」って言って「笑顔が一番だよ、最終的にはね」ってやってくれたの本当にぐっときた。

みほとせの石切丸、なんでもかんでも抱え込みすぎなんよ~~~~。周りを頼ろ??ね???

 

と・う・ら・ぶ

ライブパートなんですが。なんですか、あのえちえちパート。最高に曲もダンスも大好きです。

ミュージカル/ライブっていうことでしょうがないのかもしれないけど、石切丸が一等チャラくて笑った。神ファンサ。

 

 

『三百年の子守唄』の感想よりちょっと(?)脱線してしまった部分もありましたけど、長々とありがとうございました。